はらくだしPPの大問題 2016年10月

【新幹線車中にて】大阪マラソン走ってきました。タイムは平凡でも満足。お土産は旭ポン酢3本です。

【〜前日】
◾︎大阪マラソンを走ることをブログに掲載出来ないでいた。

◾︎3月の名古屋がおわってからのレースは、トレラン2本、ウルトラ3本。
フルの練習は全くしておらず不安だったから。

◾︎大阪は4年前の淀川市民ハーフマラソン以来。
あの時は初ハーフで2時間4分だった。

◾︎新幹線で大阪入りし、上本町のホテルに荷物を預け、受付のあるフィニッシュ地点のインテックス大阪へ。

◾︎ワタシは緑チームだ。
なぜ、緑を選んだかというと、前にえーかわさんが、緑と水色が狙い目とブログに書いておられたから。

えーかわさんに賭けてみた。
えーかわさん、こんにちは。
えーかわさん、ありがとう。
えーかわさん、お互い頑張ろうね。

◾︎トレードセンター内の鶴橋風月でモダン焼きと塩焼きそばを食べる。

◾︎すごいボリュームに驚くも完食。

◾︎夕食はコンビニのチョコクロワッサンとコーヒー。

◾︎OS1飲んでるのにコーヒーも飲むとか、おかしいだろ。

◾︎ホテルのお風呂はユニットバス。
バスタブと洗面台とトイレが一緒になってるタイプ。
あー、このタイプ、苦手なんだよねー。

カラダを洗い終わったら、次はシャンプーさ。
『いち髪』のシャンプーとコンディショナーのサンプルが家にあったので
それを持ってきていた。

色は黒とピンク。
どっちかが、シャンプーで、
どっちかが、コンディショナーなんだろう。

ユニットバスのカーテンを開けて、洗面台に置いておいたピンクの『いち髪』を手に取る。

そっちにはコンディショナーと書いてあったので、黒い方がシャンプーのはず。

髪の毛につけると、泡立たない・・

『コンディショナーやないかい!』

げっ、見間違えたか?

視力が悪い上に湯気で曇っていてよく見えなかったんだろう。

ドンマイワタシ。

シャワーでコンディショナーを洗い流してから、今度ははピンクの方を髪の毛につける。

やっぱり泡立たない・・

『またまたコンディショナーやないかい!』

どうやら、ワタシは二種類の『いち髪』
のコンディショナーだけを持ってきた模様。

( ̄∇ ̄)

しゃーない。

ホテル備え付けのシャンプーを使おう。

『シャ…』と書いてあるモノを取り、髪の毛につける…

ふー、今度はようやく泡立った。

あ、でも…

メチャメチャギシギシするやないかい!

なんじゃこりゃー!

改めて見ると、『シャワーソープ』
と、書いてあった。

( ̄∇ ̄)

おまけに何度もユニットバスを出たり入ったりするもんだから、
床がお湯でビショビショだよ。

あちゃー。

バスタオルを使い、全裸で床の水分を拭き取る。

そんな大阪マラソンの前日の夜。


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箇条書きで書き始めた意味なし。
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褒められる髪へ  ナノケアくるくるのチカラ

マラソンを始めてからセミロングの髪をバッサリ切った。

毛先が肩につかない位のボブスタイル。

正直、髪の毛のことなんて構ってらんねーと、女子力もみるみる下降(-_-)

ところが、パナソニックナノケアドライヤーを買ってから一変した。

艶々サラサラになった髪の毛を触るのが楽しくで、最近再び髪を伸ばし始めている。

そして今度はナノケアのクルクルドライヤーを買ってしまった。

ナノケアドライヤーで乾かしたあとに、こいつで伸ばす。

おおぉー、てーへんだー。
小学生時代に忘れてきた艶が蘇ってきたぞー。

ワタシ、毎日、天使の輪を乗っけて通勤してます。へへ(^^)

『PPさん、髪つやっつやですねー』
と、髪の毛を褒められる事も多くなった。

Cちゃんは、職場でワタシの後ろ姿を見て『あの髪の毛が綺麗な人は誰だろう?』
って、思ったって言うから嬉しいよー。(*≧∀≦*)

サラサラの髪をなびかせて颯爽と走るってのが夢だったんだよねー。

一度はレースでやってみたいなー。

でもワタシってば、いつも髪をまとめちゃうんだよねー( ̄∇ ̄)


CIMG2295 (500x374)



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Cちゃんが見た、えちご・くびき野60キロ

ゴール後に見たCちゃんからのLINE。

30キロ通過、マッサージしてもらったら楽になったからもう少し行ってみるね。(12:24)

40キロでリタイヤしました。
今は暖かくて幸せです(14:22)

**
良かった。
30キロ走れたんだ。

良かった。
ちゃんとリタイヤ出来たんだ。

**
ここから先はCちゃんが見たえちご・くびき野を紹介します。

Cちゃんのブログより(本人の了承済)

ありがとう。えちごくびきのマラソン。
記録は何もないけれど、記憶に残るレースになった。
完走証もランナーズアップデートも一枚の写真も無しだ(笑)

唯一、ガーミンの記録
距離:40.37K
時間:6時間6分28秒
ペース:9:05/K

30.3K第二関門到着は4時間3分くらい。目標は30K4時間。
激坂あり、トイレあり、信号待ちあり、エイドストップあり、だから上出来だ。

ここでリタイアするつもりだったけどスキー汁とおにぎりをいただき、マッサージしてもらってもまだ関門閉鎖前。
雨も止んでいたし、脚もそんなに痛くない。
もう少しこのレースを楽しみたいと思ってスタートした。

その先は雨風がひどくなって田んぼの中や工場地帯?で応援もさっぱりなくなって楽しいどころじゃなかったんだけどねー(^^;;
その時間さえ、楽しめる位、心体ともに余裕があったと思う。
ボランティアの方の明るさに救われたり、たまに一緒になるランナーに声かけたりして最後までたのくるさせてもらった。

40.3K第三関門は6時間5分だったから、もう少しで通過出来たけど
間に合ってたらまた先に進んじゃったと思うのでこれで良し。

走る前から脚は痛いし、走り出しても序盤から痛いわりに、激坂以外は歩かなかったしね。
そして、ダメージもほとんどない(多分)

何より、レースで走るってなんて楽しいんだ*\(^o^)/*
と、また教えてくれたこの大会には感謝の言葉しかない。

スタート地点と直後の住宅地の皆さんはお家の前でランナーの名前入りの小旗を振って応援してくれた。

商店街の青年部?はお神輿と威勢のいい掛け声で盛り上げてくれた。

船見公園手前のゆる坂でも、お寺手前の激坂でも、地域の人が全世帯?と思うほどお家の前に出て応援してくれた。

道誘導のおじさんも、エイドのおばちゃんも、お姉ちゃんも
元気な老夫婦もおばあちゃんの集団もみんなみんな歓迎してくれて優しい言葉をかけてくれて元気にしてくれた。

リタイアした関門でも毛布にくるまってヒーターの前でバスを待たせてもらって幸せだったし
荷物受け取りではジャージ姿の中学生達のお疲れ様の声に癒され、
DNFの悲壮感なんて全く感じる隙もなかった。

また、走らせてくださいね。
今度はきっと完走するから(`_´)ゞ
だから、この結果に悔いはなし。

えちごくびきのマラソンに関わってくださった皆様。
本当にありがとうございました。

Pちゃん、こんな素晴らしい大会を走るきっかけをくれてありがとう。



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えちご・くびき野100キロ(60キロ) そしてゴール これ以上素晴らしい大会をワタシは知らない。

ゴール付近になると、田んぼの風景が住宅地と変わり、
再び応援して下さる方がいらっしゃる。
『雨の中、応援ありがとうございまーす』
応援してくれる人を応援しながら走った。

ラスト1キロの看板を通り過ぎる。

沿道の方が、『あと1キロだよ』
と、教えて下さる。

知ってるよ、さっき看板あったもん

なんて気持ちはおくびにも出さず、

『ホントですか!やったー』
と言う。

沿道の方の『声かけてあげて良かった』の満足そうな顔を見ると幸せな気持ちになる。

また『あと1キロだよー』のおじさんの声。

ワタシは『バンザーイ』と言い、ピースサインを出すと、ピースサインで返してくれるおじさん。

もう泣き笑いだ。

角を曲がると、レッドカーペットの向こうにゴールゲートが見える。

そこには、えんじ色の体操着を着た何十人もの中学生が、一斉に手を出していた。

******
中学生とハイタッチしながらゆっくりと味わうようにゴールゲートをくぐる。

最後まで走り続けられた事が嬉しくて、急坂の登り以外は歩いてないことが誇らしくて、
ワタシは手で顔を覆っていた。

宇野昌磨似の中学生の男の子がメダルをかけてくれたと思ったら、
2人の可愛い女の子が『こちらにどうぞ』と、テントまで誘導してくれる。

すげぇ。
なんだか、キャッチに引っかかったみたいだ(笑)

ワタシの到着は2時台だったせいか、テントの中のテーブルには空きが多かった。

100キロの部だと9時間台ゴールの時間のため、ゴールされた方はまだ少ない。

『こちらの席はいかがでしょうか?』
って、ファミレスかよ。

『は、はい』

『お食事お持ちしましょうか?』
って、ファミレスかよ。

『は、はい』

『おにぎりと豚汁がありますが』

って、ファミレスかよ。

『じゃあ豚汁お願いします』

『チップ外してもよろしいですか?』
・・・・・って、ファミレスじゃないんかい!

『毛布お持ちしましょうか?』
・・・・・って、ファミレスじゃないんかい!

女の子がひざまずいてチップを外してくれる。

ここは女王様気分になれる場面なのだが、庶民しかやった事がないワタシは、
どうも気恥ずかしい。

やがてワタシの肩には毛布が羽織られ、前には熱い豚汁が置かれ、
テーブルには記録証が置かれていた。

ワタシは座っているだけで、一ミリも動いてない。

どうかしてるぜ、えちご・くびき野。

ランナーをチヤホヤさせといて、飲ませて食べさせて、
最後に高額なサービス料とかとられるんじゃないわよねー。

と、ビクビクしていたら、最後は『甘いものいかがですかー?』
と、おばちゃんが紙コップに入ったスイーツを持ってきてくれる。

チョコレートや笹団子、ゼリーなどエイドで出されていたものだったけど、
こんな心遣いが嬉しい。
******

高額なサービス料を取られることもなく(笑)、
テントを出てトランジット(荷物)受取へ。

ここの入り口でも10名ほどの中学生達が『お疲れ様でしたー』と、
歓迎ムードで迎えてくれる。

入り口を入ると、中学生がワタシのゼッケン番号を確認したと思ったら、
『****番』と、大声で叫ぶ。

荷物は二階にあるようで、階段にいる数人の中学生達が、
伝言ゲートのように次々と上にいる人に伝えていく。

しばらくすると、今度はバケツリレーのようにスルスルと荷物が下がってきて、
ワタシに手渡しされるんだ。

ワタシ、ここでも一ミリも動いてない。

どうかしてるぜ、えちご・くびき野。

徹底的にランナーを甘やかす。

中学生を指導したのは地域の方か、先生か。
どんな風に指導したんだろう?
日曜日に知らない人の応援に駆り出される中学生の気持ちはどうだったんだろう?
楽しんでいるように思えたけど、それは間違ってないよね。
あなたたちの気持ちは伝わったよ。
こんなランナーの気持ちが少しでも伝わったら嬉しい。

*********
これ以上素晴らしい大会をワタシは知らない。
今も思い出しても涙が出てきて、下げた頭を上げられない。
今、お礼のお手紙を書き終えました。

以上でえちご・くびき野のレポは終了します。
このレポを見て「走ってみたい」っててくれる方がいらっしゃれば嬉しいです。

二年後につづく


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えちご・くびき野100キロ(60キロ) 53.2キロ~57キロ  いや、あれは案山子じゃない。人間だ。

53キロ地点のエイドを過ぎたら残りは7キロだ。

エイドを少し前に出たと思われる方々を何人かパスする。

脚はまだ動いていて、6分台をキープしていた。

相変わらずの強風大雨の中、田んぼの間の道を走る。

沿道の応援はゼロだ。

道はまっすぐに伸びており、遠くまで見渡せる地形なのだが・・・

あれ?

前を行くランナーが見えない。

ランナーどころか、誰も見えない。

誘導員もいない。

大会看板もない。

建物もない。

車も通らない。

右を見ても左を見ても見えるのは田んぼだけ。

おかしい…

今、レース中のはず。

ワタシ、遭難しちゃった?

どこかで道を間違えた?

同じ景色だと方向感覚が鈍るのか、どこに向いて走っているのかもわからなくなっていた。

焦る・・

ワタシ、地図持ってきてないよ。

完走とか言ってる場合じゃない。

生きて帰れるのか?

このまま、のたれ死んじゃうのか、

ブルブル∑(゚Д゚)

この時は完全に道を間違えたと思っていた。

どこかで引き返さなくちゃ、

と、思った時、遠くに案山子が見えた。

いや、あれは案山子じゃない。

人間だ。

誘導員のおじさんだ。

やったー!

ワタシは嬉しさのあまり、スピードを上げて、誘導員のおじさんの胸に飛び込んでいった。(注 妄想)

ま、実際には『雨の中ありがとうございまーす』と、手を振って通り過ぎただけなのだが、
心の中でチューとハグをした。

*************

55キロ、57キロのエイドにも寄る。

そういえば30キロでペットボトルをなくしてから、全部のエイドに寄っているわ。

だってね、エイドの方々、身を乗り出してランナーを待っててくれるんだよ。

遠くから、「来たっ!」って声が聞こえるんだよ。

それはまるで、雨の日に学校から帰ってくる子供を待つお母さんみたいなんだ。

素通りしようとした時もあったけど、『暖かい麦茶どうですかー?』って言われると、
ついつい脚を止めちゃうんだよね。

そしていつの間にか、『ただいま〜』『行ってきまーす』と、
家族のような挨拶をするようになっていた。

ここまで走って、

1つのゴミも落ちてない。

立ちションする人を見ていない。

唾を吐くひとを見ていない。

ランナーは、応援の方々やボランティアの方々に、育ててもらっているのかも知れない。

つづく


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えちご・くぴき野100キロ(60キロ) 49キロ~53.2キロ きっとそんなボランティアマニュアルなんてないと思う

第四関門の丸山酒造場は49キロ地点にある。

ワタシの大好きな日本酒『雪中梅』の蔵元だ。

一番好きな日本酒はと聞かれたら迷わず雪中梅と答える。

エイドに到着した時、ワタシの目はテーブルの上の甘酒の向こうにいる
『雪中梅』のはっぴを着た方々に釘付けになっていた。

何年も前から好きだった雪中梅。

その雪中梅に関わっている方々に会えた幸せ。

嬉しいなぁ。

もちろん甘酒もいただく。

ふー。

冷たくなった胃袋がニコッとした。

******
でも本当は燗をした雪中梅の方が良かったな、

いや、雪中梅は燗じゃなくて冷やでしょ。

なんて思いながら、シューズの紐の緩みが気になって前かがみになった。

その時、

んぎゃー、

冷たい水が首すじから背中にかけてびしゃーっと流れてきた。

な、なにー?

この滝、どっから落っこちてきたのー!

その時初めて気がついた。

頭の後ろでジョボジョボ音がしていたのは、
ビニール合羽のフードに貯まった雨水だったんだということに。

三角形のフードは栓のないジョウゴ状になり、
大粒の雨をどんどん吸い込み、プール化していたのだ。

すぐにエイドのお姉さんに、
『すみませーん、フードをひっくり返してもらえませんかー?』
とお願いする。

背中を反らせて待っていると、ジャボジャボと大量の水が流れてきた。

ワタシが悲壮感もなく笑ったものだからエイドの方もつられて大笑い。

そしてすかさず乾いたタオルが出てくる。

『えちご・くびき野最高です!』
と、お礼を言って再び雨のえちご路を走りだした。

******
53.2キロ地点のエイドは、道路から少し奥まったところにある浦川原里山地域活性化センター。

なぜか入り口で、ゼッケンを呼ばれた。

ん?関門じゃないのになんで?と思いつつ、給水テーブルに到着。

ボランティアは5人位いらっしゃったと思うが、ランナーはゼロ。

まるでワタシを待ってくれていたような錯覚。

しかし、すでに神の領域に入っていたワタシはすかさずに尋ねる。

『あ、あの、トイレはどこですか?』

5回目のトイレだ。

PPの事はいちいち書かないけど、今までずっと戦っていたんだ。

念のため行っとくか、というレベルではない。

よくここまで辛抱したと褒められるレベルだ。

すると、『こちらです、どうぞ』

なんと、建物の中のトイレまで連れて行って下さった。

なんと優しい。

更にトイレから出たワタシを見つけると迎えに来てくれるという暖かい待遇。

きっとそんなボランティアマニュアルなんてないと思う。

一人一人のランナーを大事にしたいという想いが行動を起こして下さるんだよね。

トドメは『PPさん、ラスト7キロ頑張って下さいね』と名前まで呼んでくれる。

そっか、入り口でゼッケン番号を読み上げていたのはこのためだったんだ。

あぁ、もう完全に骨抜きにされた。

「行ってきまーす」

雨か涙か鼻水かわからないけど、グチョグチョになった顔で

何度も後ろを振り返り、大きく手を振った。

つづく


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えちご・くびき野100キロ(60キロ) 46キロ~49キロ 存分に楽しませた後にガクンと落とすというシナリオか

ワタシはビニール合羽を捨ててなかった。

スタート直後こそ着用してはいたが、暑いと感じ2キロで脱いでしまったこのワタシが、

わずか100円のシロモノで、小さくしてもポーチにも入らないのに、

なぜだか、ずっとボトルポーチに挟み込み、ウエスト辺りでヒラヒラさせていたのはなぜか?

1、もったいないと思ったから
2、完走記念にとっておきたいと思ったから
3、夕方、寒くなるんじゃないかと思ったから
4、なんとなく



正解は4のなんとなく

理由なんてないけど、こーいう時の勘みたいなものは侮れない。

******

走りながらビニール合羽を装着するが、風が強くて風船のように膨らみ上手くいかない。

なんとか着れたと思ったら雨で滑ってボタンが留まらない。

フードは何回被っても向かい風に持っていかれる。

それでも着ると、あ、あ、あったけー。

風を通さないからウインドブレーカーより保温性はあるかもしれない。

******

コースはこれまでの華やいだ雰囲気と一転し、見渡す限り一面田んぼに変わっていた。

遮るものがないから容赦なく冷たい風がカラダを攻めてくる。

収穫前の黄金色の稲穂が、日本海からの強風にガサガサと波打つ。

飛ばされそうだ。

息が出来ない。

前かがみに走る。

前にも後ろにもランナーの姿は見えず、
完全に孤立した渡り鳥。

これもえちご・くびき野の演出か、

存分に楽しませた後にガクンと落とすというシナリオか、

だとしたら、すげーよ。


ん?な、なんだ?

さっきから頭の後ろで、ジョロジョロと音がする。

思わず振り返る。

誰もいない。

ぎゃー、
こ、怖いよー。

そんな時、止まり木のようにワタシを迎えてくれたのは白いテントのエイドだ。

ワタシはそこに逃げ込み、ジョロジョロの正体を見ることになる。

つづく


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えちご・くぴき野100キロ(60キロ) 30キロ~45キロ  その時、ワタシはビニール合羽を持っていたのか・・

落としてしまったのは、ボトルポーチに入れていたペットボトル。

ちょー汗かきっこのワタシは、水分を持たないと不安でしょうがないんだよ。

レースの時はもちろん、わずか5キロの練習でさえも持っていくほど。

エイドを待つんじゃなくて、自分のペースでチビチビやりながら走りたいんだよ。

それにね、ペットボトルの中身は絶対的に信頼をおいているファインラボのリカバリーエネルギー。

水分とエネルギーを同時に摂取出来て、スッキリ美味しいレモン味。

値段は高めだけど、カーボとリカバリーが同時に出来て、なんといっても美味しい。

あぁぁー、さっき行ったトイレで落としちゃったのかなー。

しょぼーん。

******
さぁ、このようにペットボトルを落とした人にもえちご・くびき野は優しいんですねー。

なんと2.5キロごとに給水の用意があるんです。

(わー、それはすごいですねー)

残り30キロで給水箇所はジャジャジャーン、
驚きの12箇所。

(えー、そんなにあるんですかー)

それも、今なら全部無料で利用出来るんです。

(えー!ホントですか?)

さあ、今すぐお電話を!

ワタシは、急いでジャパネット高田(城)に電話…じゃなくて、走って向かった。

******
高田城は、徳川家康の六男、松平忠輝公の居城。
築城には忠輝公の妻、五郎八姫の父である伊達政宗が指揮をとり、
上杉謙信公の跡を継いだ景勝公も携わったという。

美しい天守閣をと美しい高田公園、
城下町高田のアーケード街は華やかで、キョロキョロと観光しながら走る。

高田のアーケード街でも沢山の応援を頂いた。

『応援ありがとうございまーす』
と、手を振りながら走っていたが、

気がついたのはこの辺りだっただろうか?

応援してくれているのは、町の人ばかりではないという事を。

誘導員の方は、年配の男性が多いんだけど、ほとんど全員がランナーに声をかけてくれていた。

『頑張ってー』

『はーい、ありがとうございまーす』

『ここから歩道走ってねー、頑張ってー』

『はーい、行ってきまーす』

ワタシはこの時、この町の町民になっていた。
声援に応えるというより、出会った方々に挨拶しながら走っていたように思う。

35キロ辺りで歩道橋を渡り、第三関門の40キロ地点の前島記念館を通過。

脚はまだ大丈夫。
疲労感もそれほどない。

心配はPPだけだ。
42キロで4回トイレに行っている。
楽しく走りながらも、敵の出陣に怯えていた。

45キロ位だったろうか、
急に暗くなったと思ったら大粒の雨が降ってきた。
天気予報大ハズレじゃねーか!

雨はいい。
濡れることは問題ではない。

問題は風だ。
日本海からの冷たい強風が、雨と汗で濡れた身体から体温をみるみる奪っていった。

『ねーねー、もう雨降らないよねー』
『うん、天気予報で昼まえには止むって言ってたよ』
『カッパ、捨てちゃっていいよね』
『大丈夫っしょ、私も捨てよっと』


第一関門だっただろうか、
そんな美ジョガーの会話を思い出す。

そのゴミ箱には何枚ものビニール合羽が捨てられていた。

続く

それにしても60キロの部は華やかな美ジョガーが多かった。


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えちご・くびき野100キロ(60キロ)第二エイド30.3キロ ジョクだけの練習だと強くなれないと悟った日

直江津市街を抜けると、上杉謙信の郷を巡るコースを進むようになる。

まずは林泉寺。
上杉謙信が7歳から14歳まで厳しい文武の修行を積んだとという寺だ。
情緒ある藁葺きの山門を謙信公がくぐっている光景を想像しながら左に折れると、
上杉謙信や上杉景勝の居城である春日山城跡にたどり着く。

ここからは、大河ドラマ「真田丸」のオープニングで騎馬隊が掲げている
六文銭赤いのぼり旗を目にするようになる。

真田幸村もその地を訪れたのだろうか、とレース中とは思えないような戦国ロマンの妄想が始まる。

まあ、妄想の中にあるのは堺雅人なんだけど。

そういえば、甲冑のコスプレの方がいらしたわよね。
次のエイドだったかしら?
ん?幻だった?

あ…
も、もしかして、戦国武将が時間を超えてワタシ達の応援に来てくれたんじゃないかしら。(ハイハイ・・)

やがて、第二関門の金谷山30.3キロに到着した。

ここまでトイレ3回。
10キロで一回、約一時間で一回の割合は、ワタシにとっては標準的なものだろう。

イチイチ書かないけど、ワタシなりの戦があったのよ。

******

60キロの部のコースは概ねフラットなんだけど、ここまで短い急坂が3回あった。


ワタシは今年の3月に名古屋ウィメンズを走っている。

その後は、トレランレース→チャレンジ富士五湖100キロ→トレランレース→エア柴又60キロ
と、持久力がモノをいうレースに出場しているせいか、スピード練習は全くしていない。

ただただジョクペースで距離だけを稼ぐ練習しかしていないんだ。

脚の調子が悪く、速く走ると再発する懸念があったから…

というのは口実だ。

本当はスピード練習が大嫌いなだけ。

インターバルとか、ムリムリ。
だってさー、苦しいんだもん。
それにさー、頑張ったって、スピード出なくてショボンなんだもん。

一度、1キロを4分55分で走ってみたことがあったけど、二度としたくないと思ったよ。

ま、ダメな自分と向き合いたくないんだよねー。

で、その結果、どうだったかって言うと、

坂、全然登れねぇー。

3つの坂は全部歩いた。
今まで最後尾からスタートしたからほとんど抜かされてないと思ったけど、
ここにきて面白いように抜かされた。
戦略的歩きとか、そーいうんじゃなくて、
心拍が全くついていかないんだ。
春日山城跡では観光バスから降りてきた大勢の人の前で歩いた。
うん、恥ずかしかった。

今更だけど、ジョクだけの練習じゃ強くはなれないって、改めて悟ったわ。

あ、ジョクだけでも脚は出来るみたい。
だって下りはビュンビュン飛ばせるもの。

******
話は戻って金谷山エイド。

ここは、明治44年に日本で初めてスキー指導が行われたというスキー場。

スキー指導をしたレルヒ少佐の銅像の下のエイドには、
スキー汁とコシヒカリのおにぎり、名物の笹団子などが振る舞われ、マッサージもある。

暖かいスキー汁を頂き、梅干しを手にすると、目の前にサッと出てきたのは乾いたタオル。

『どうぞ、タオル使って下さいね』と、
エイドのお姉さんがおっしゃる。

こんな極上のサービスをしてくれるのは、エイドの方々がランナー一人一人をしっかり見てくれているから。
ランナーの人数より、エイドの方の人数の方が多いから、恥ずかしいくらいに注目してくれるんだ。
ここは参加者が少ない60キロの部の特典かも。

町の方々も優しいけど、エイドの方々も本当に親切で
、『この町に来てくれてありがとう』という気持ちをド直球で投げてくる。

走ってる時も、休んでいる時も、暖かさに包まれる。

さあ、しっかり休んだから出発しよう。
お礼を言ってエイドを後にした時、

あ…
な、ない…

その時ワタシは重大なものを落としてきたことに気がついた。



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えちご・くびき野100キロ(60キロ)応援する人とされる人が一体化した夢のような空間がそこにあった。

コースは日本海から直江津の商店街に入ってくる。

そこには、オリンピックメダリストのパレードのような光景が広がっていた。(←ちょい大げさ)
商店街の両側には、町名の入った小旗を持った人・人・人。
まるで町同士が競うように右から左から声が飛ぶ。
ただ立ってる人なんていないだよ。
企業の宣伝なんかじゃないんだよ。
みんなが笑顔で手をたたく、声をかける。

きっと、直江津地区では2週間ほど前に「町民みんなで応援しよう」
という回覧板が回っていたに違いない。

老人クラブや青年団や父母会の集まりで、小旗の配布があったに違いない。

母「あんた、今日はどこか行くの?」
息子「え?部活だけど」
母「マラソンの応援があるんだから、早く帰ってきなさいよ」
息子「オッケー」
という会話があったに違いない。

ここは確実に応援の文化が根付いている。
ゲスト(ランナー)を心から歓迎するホストマインドが、
親から子へ受け継がれている町。

もともとランナーの数は600人と少ないから、この辺りでは集団になることはない。

だから町民の方々の「頑張ってくださーい!」の声援は間違いなく自分一人に注がれている。

ワタシは大きく手を振りながら、小旗に書いてある町名を大声で叫ぶ。
「○○町、ありがとう!」
「○○町、最高!」
すると、一際大きい「キャー」という声とともにちぎれるほど旗を振ってくれるんだ。

五智国分寺では、青年団の神輿が繰り出し、「わっしょい、わっしょい」の
威勢のいい掛け声と、鳴りもののチンチンの音が響く。

ワタシも一瞬輪の中に入り、掛け声に合わせて「わっしょい、わっしょい」と声を合わせる。

完走祈願と書かれてある八坂神社のお守りをプレゼントされたり、

ヤクルトの差し入れがあったり、

おばちゃんのコスプレで大笑いしたり、

なんなんだ、なんなんだ、こんなに楽しいウルトラあっていいのか・・

応援する人とされる人が一体化した夢のような空間がそこにあった。


なんだろう?
遠くに見えるランナーが段差のある歩道を越えたと思ったら戻ってきた。
あれ?次のランナーも同じ行動をしている。

段差の先に見たものは・・・

車いすに乗った白髪のおばあさんだった。
ランナーはそのおばあさんの手を握っていたんだ。
もちろんワタシも続いた。
「応援ありがとうございます」
と言い、手を握らせていただいた。

おばあさんは優しい表情で手を握り返してくれる。

これで数分完走のタイムが遅れたとしても、そんなものどうだっていいと思った。

町民がランナーを育てる、
そんな素敵な町。
ありがとう、直江津。


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